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農の労務管理ポイント
 /労働条件に関する基準

賃金の決め方

賃金の額を決める前に、どのように支払うかを考えます。賃金は原則として労働時間に対して支払われます。
時給制であればその賃金は働いた時間の分ですから問題ありませんが、月給制の場合、その月額賃金の額は「月の所定労働時間を労働した場合の賃金」となります。

所定労働時間を超えて労働した場合は残業代が発生し、反対に遅刻や欠勤をし所定労働時間を労働できない場合にはその時間分の控除が生じます。残業代や遅刻等控除の1時間当たりの単価(時間額)は、月額賃金を月所定労働時間で除して求めます。

・月によって所定労働時間が変わる場合は、平均月所定労働時間になります。

1.賃金の水準

賃金額の決定要素には、@仕事の量や内容、A労働者の能力や勤務態度、B生計費などがあり、この要素に地域賃金の相場や同業者の賃金水準等を加味して決めることになります。  
賃金の額を考えるときに最低限守らなければならないルールがあります。それは「賃金の額は労働者とその家族の生活が維持できる額でなければならない」ということです。生活の維持に必要な額については人事院の作成した「世帯人員別標準生計費」が参考になります。
年収イメージとしては、「世帯主年齢×10万円」です。

2.賃金改定

賃金改定は、通常、事業年度が変わるときに行われます。賃金改定には、通常、賃金制度により毎年賃金が増額する定期昇給、「昇進した」「結婚した」というような適格時昇給、経済の成長に伴い賃金水準そのものが引き上げられるベースアップがあります。

農業では定期昇給を導入している例は多くありません。たしかに農業を労働として見た場合、分業化できず、効率化を図ることが難しいのが実情です。また、収穫物も労働の質や量よりも、むしろ天候等に大きく左右されるでしょう。しかし、個々の労働者は、それぞれ日々成長しています。入社時には5しかできなかった者も2年目には10できるようになっています。
経営者はこの労働者の成長に対しては定期昇給で応えなくてはなりません。

3.賃金支払の5原則(労基法24条)

賃金の支払は、@通貨で、A直接労働者に、Bその全額を、C毎月1回以上、D一定の期日を定めて、支払わなければならないとされています。これを「賃金支払の5原則」といいます。

法律に基づく税金や各種保険料等を控除することは、Bの全額払いの原則に反しませんが、それ以外のたとえば社宅費や組合費等については、当該事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(労働組合がないときは労働者の過半数を代表する者)との書面(「賃金控除に関する協定書」)による労使協定に明記されたものについてのみ賃金から控除することができます。

なお、賃金を従業員の指定する預金口座等への振込により支払う場合は、書面により本人の同意(「口座振込同意書」)を得ることが必要です。

4.最低賃金

最低賃金制度とは、最低賃金法に基づき国が賃金の最低限度を定め、使用者は、その最低賃金額以上の賃金を労働者に支払わなければならないとする制度です。
これは、正社員はもちろんのこと、パートタイム、アルバイト、外国人労働者等、雇用形態の違いにかかわらず、すべての労働者に適用されます。

仮に最低賃金額より低い賃金を労働者、使用者双方の合意の上で定めても、それは法律によって無効とされ、最低賃金額と同様の定めをしたものとみなされます。
使用者が労働者に最低賃金未満の賃金しか支払っていない場合には、使用者は労働者に対してその差額を支払わなくてはなりません。地域別最低賃金額以上の賃金額を支払わない場合には、罰則(50万円以下の罰金)が定められています。

地域別の最低賃金はここをクリックして下さい

5.割増賃金(労基法37条)

労働基準法では、法定労働時間を定めており、法定労働時間を超えて労働させた場合には、割増賃金の支払いを義務付けています。労働基準法で定められた割増率は次のとおりです。

時間外労働(週40時間超または1日8時間超) ・・・ 25%
深夜労働(午後10時〜午前5時) ・・・・・・・・・ 25%
休日労働 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 35%
時間外労働+深夜労働 ・・・・・・・・・・・・・・ 50%
休日労働+深夜労働 ・・・・・・・・・・・・・・・ 60%

■割増賃金の支給例

所定労働時間が1日7時間の事業場で9時間労働した場合、超過分の2時間のうち法定労働時間(8時間)までの1時間については、法律上割増賃金を支給する必要はありません。

通常の賃金(月給であれば基本給を月の所定労働時間で割った1時間当たりの賃金)の1時間分の支給でよく、残りの1時間について割増賃金を支給することになります。なお、割増賃金の基礎となる賃金に、次の7種類の賃金は算入しません。

@家族手当、A通勤手当、B別居手当、C子女教育手当、D住宅手当、E臨時に支払われた賃金、F1ヵ月を超える期間ごとに支払われる賃金

■農業は割増賃金が適用除外

農業においては、労働基準法上、時間外労働や休日労働に対する割増賃金の適用除外となっています。ただし、たとえば所定労働時間が1日8時間の事業場で10時間労働した場合、超過分の2時間については、法律上は割増賃金を支給する必要はありませんが、通常の賃金(月給であれば基本給を月の所定労働時間で割った1時間当たりの賃金)の2時間分の支給は当然必要です。

※ 農業においても深夜業の割増は必要

農業においても深夜業割増は適用除外されていません。例えば、午後10時〜午前5時までの間において労働させた場合においては、2割5分増しの賃金を支給しなければなりません。

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